No.412 夏の鉄道旅行2015レポート Part2

最初は浜吉田行に乗車。車両は701系

亘理駅に到着。上野方面へ一つ先の浜吉田からは津波被害を受け、相馬まで不通となっている為、亘理で降り代行バス相馬駅へ向かいます。

バスは主に国道6号線を走行していきます。車窓からは常磐線の復旧作業が見えています。2枚目の写真は新"坂元駅"の建設現場、兼代行バス乗り場。

浜吉田駅と坂元駅は国道6号線上に、山下駅新地駅は町役場の近くにバス乗り場がありましたが、駒ヶ嶺駅は(鉄道の)駅前にバス乗り場がありました。
駒ヶ嶺駅構内では復旧作業がまだ行われておらず、そのままになっている様で、駅名標地震の影響で傾いたまま。

相馬駅に到着。相馬から原ノ町までは鉄路で復旧しているので、バスを降り列車に乗車。相馬駅駅名標は隣の駒ヶ嶺駅が白いテープで隠されている。

車両は浜吉田行の列車と同じく701系。車内に広告は無く、子供達が描いた相馬野馬追のイラストが飾られています。5年前に来た時と比べ、すっかりいわき以北の常磐線が寂しくなってしまった感じがしちゃいます。


原ノ町駅に到着(原ノ町駅構内でのトラブルによって鹿島駅で5分停車していた為、写真が撮れず・・・)。
原ノ町駅の構内には常磐線の不通によって身動きが取れなくなってしまった415系651系が震災以後、放置されています。
415系原ノ町行の幕を出したまま、651系は上野行の幕を出したまま停まっており、何とも寂しい光景。
4年以上も雨風に晒された為に車両の劣化が酷く、常磐線が岩沼まで復旧したとしても恐らくはあのまま廃車になってしまうんでしょうなぁ・・・。

そして今度は福島第一原発事故の影響により原ノ町から竜田までが不通となっている為、再び代行バスに乗車します。
この代行バスは1日に2本しか本数が無い。

亘理~相馬間の代行バス同様、国道6号線を主に走行していく。原発事故によって避難が続いている区間を通る為、原ノ町から竜田まではノンストップで運行。乗客は旅行客が大半な模様。
南相馬市小高区、浪江町と南下するに従って車窓からは荒れ果てた田園地帯が目立つ様になっていき、福島第一原発が立地する双葉町からは帰還困難区域に突入(因みに1枚目の写真は常磐線を写した写真。2枚目の写真は一見するとただの荒れ地だが、乗務員さんによると「元々ここから海は見えなかった」そうです)。
帰還困難区域は放射線量が50ミリシーベルト/年を超す区域であり、他の避難指示区域(避難指示解除準備区域、居住制限区域)とは異なり一般人の立ち入りは基本的に不可能。
国道から外へ出る道路や沿道の建物は全てバリケードで塞がれ、自動車で南北へ通過する事しか出来ない様になっています。

・・・乗車した代行バスから見た光景は、衝撃的なモノでした(以下動画で撮影したので切り取った写真を)。

双葉駅の近く。ここに人は住んでいない。

福島第一原発から凡そ2kmの地点。白い排気塔が見える。

帰還困難区域内にあるコンビニ。勿論営業しておらず、震災以後そのままの状態。他にもホームセンター、飲食店、ガソリンスタンド等も手が付けられる事無くそのままになっており、敷地は雑草に覆われてしまっている。

地震で倒壊した建物もそのままになっている(但し道路を塞いでいた建物は既に撤去されている)。

浪江町楢葉町では沿道のコンビニが営業していたり、町民が自宅に戻って掃除をしていたり、一部では田植えがされていたりと、僅かではあるけど復興へ向けて動き出している事が感じられました。
しかし帰還困難区域に指定されている双葉町大熊町では全く手が付けられておらず、まるで震災発生時から時が止っているかの様な状態でした。

代行バスを降り、竜田駅に到着。こちらの代行バスは時間にかなり余裕を持って運行している様で、予定より26分程早く到着しました。バスに乗っていた乗客達も、ほぼ全員がそのまま竜田駅のホームへ。
竜田駅常磐線を上野方面から北上した場合の終点となる駅です。
空き時間が増えたので少し駅周辺を散策してみましたが、街に人影は見当たらず、ひっそりとしていました。聞こえてくるのは虫の鳴き声くらい。

夕日を浴びる竜田駅。ここ竜田駅を発車する列車の本数は1日9本。内5本はいわきより先の水戸まで直通しています。

竜田駅のある楢葉町の観光案内図。脇にモニタリングポストが設置されている。「原発の近くだからある」、という訳では無く中通り会津等、福島県内のあちこちにこうしたモニタリングポストが設置されている。

震災以降、置き去りになっている自転車。

駅前にある公衆トイレ。ちゃんと使用する事が可能。
楢葉町福島第二原発が立地する町であり、この施設は原発によって町が潤ってきた事の象徴とも言えます。

駅舎内。既に営業時間を過ぎていたので駅員はおらず、無人駅になっていました。

駅舎内にある線量計。0.177マイクロシーベルト/時。駅の外のモニタリングポストの値よりこちらの方が線量が低い。

構内。仙台方面への線路上に仮設の通路を設置し、いわき方面へのホームとは跨線橋を使わずに直接行き来できる様になっています。ホームからは海が見えます。
余談だが、ホームの乗車位置案内が3ドア仕様(=415系)ではなく、既に4ドア仕様(=E531系)。E531系への置き換えを見越して、かな?

ホームの先端から仙台方面の線路を見る。震災以降この線路に列車は通っておらず、レールは錆びつき雑草に覆われてしまっています。
この先の富岡駅へ再び列車が通じるのは、3年後との事。

暫くして折り返しのいわき行の列車が到着。車両は415系。いわき方面からやってきた列車の乗客は0名でした。

その後は更に常磐線を南下し、真っ直ぐ自宅へ帰り、1日目が終了。

Part3へ続く